さ わ や か 真 誠 会
平成26年4-5号
NO.139  
〜院長から患者さまへのお手紙〜   


どのように老後をデザインするか
生・老・病・死

真誠会セントラルクリニック
院長 小田 貢

 「生・老・病・死」は仏陀の教えにある4苦です。この意味が少しずつ理解でき始めるのが60歳過ぎかもしれません。そして人にもよりますが、70歳からいよいよ「老」「病」「死」も具体的に近づいてくるのですが、実際には多くの人はその現実から目を背けていることが多いと思います。
 確かに中には「病」とはほぼ無縁で「老」「死」を迎える方もいらっしゃるとおもいますが、一般的にはそう簡単に事は運ばず、ほとんどの場合「老」「病」「死」を迎えるのです。それを意識する時期は人さまざまですが、70歳、75歳になれば多少は意識すると思います。
 実際に平均余命を調べてみると70歳の男性で余命は約15年、女性は18から19年あります。この余命を「○○年しか残っていない」と考える人と、「○○年もある」と考える人の二通りあると思いますが、前者は消極的で、後者は積極的である、と優劣をつけることはできません。
 大切なことは、いずれの感じ方にせよ残りの時間(命)をどのように大切に使うかということと、どのような状態で死を迎えるかということだと思います。そして心の持ち方と努力の違いによって、同じ残りの時間を病気で苦しみながら死を迎えるか、ぎりぎりまで健康で、そしてたとえある程度の病気があってもそれをコントロールしながら納得の行く死を迎えることができるかどうかは50歳、60歳(理想的にはもっと若い時から)から老後のことを考え、健康に留意し、精神的にも活発で、できれば現役を引退しても自分がもっている能力を社会への恩返しのつもりで社会貢献し、自分の人生を燃焼しつくして死を迎えることをイメージして残りの人生の計画を立てることが大切だと思います。人は誰一人「生・老・病・死」から逃れることはできないのです

 それではそれをどこで、どのようにして学ぶことが出来るでしょうか。
 それは偉人の人生、伝記はもとより、自分が尊敬している人の一生から、そして身近には自分の両親、親戚でしょう、また医療福祉関係の施設で働いている方は、そこにおられる人の人生、病気、そしてその人が死を迎えられるときの姿から多くのことを学ぶことができると思います。
 また最近では『認知症』という特殊な病がありますが、この認知症にしても普段から、人に対する感謝、優しさなどの心がけ次第ではあまり他人に迷惑をかけない穏やかな性格の認知症になる可能性もあります

 しかしながら、一番の学びは「人は死ぬ」ことを意識することで、まさに「死」は
「師」であると思います。



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平成11年11月号(vol.19) 写真と医療における芸術
平成11年10月号(vol.18) 永遠のテーマを残す
平成11年9月号(vol.17) 米川探訪
平成11年8月号(vol.16) 素晴らしきかな劣等感
平成11年7月号(vol.15) 私は聴診器を持った指揮者
平成11年6月号(vol.14) 聴診器と私
平成11年5月号(vol.13) 大樹は古老か哲学者(木についてその2)
平成11年4月号(vol.12) 大樹は古老か哲学者(木についてその1)
平成11年3月号(vol.11) 私は鯉のおいしゃさん
平成11年2月号(vol.10)  寒稽古の想い出
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平成10年12月号(vol.8)  山陰一のクリスマス・イルミネーションを夢見て
平成10年11月号(vol.7)  仕事と育児の両立
平成10年9.10月合併号(vol.6)ホスピタウン開設10周年を迎えて
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平成10年7月号(vol.4)  日野原重明先生との運命的出会い
平成10年6月号(vol.3)  我に七難八苦を与え給え   

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