さ わ や か 真 誠 会

平成12年8月号
NO.26

〜院長から 患者さんへの手紙〜

 

ベン・ケーシーに憧れて

医 療 法 人 真 誠 会
真誠会医院 院長 小田 貢



 私が小学生、中学生の時代にあこがれていたのは、田舎の診療所におられたお医者さんでした。先生の白衣姿がかっこよく看護婦さんも輝いて見えました。
 私が小学生のとき、田舎の医院に女医さんが嫁いでこられました。その当時は、田舎でしたので、女医さんもまだ珍しく、子供心にとても強く印象付けられました。小学5年の頃、急性腸炎でその医院に入院したことがあります。黒い便が出て死線をさまよいましたが何とか助かりました。医師という職業にあこがれを持ち始めたのはその頃からだと思います。しかし、医師になりたいという具体的な考えは、持っておらず、なれるとも思っていませんでした。 中学から高校に進学した頃、父は、私が医学部に入って欲しい(医師になること)ことをほのめかしました。確かにそれは良い考えと分かりましたが、中学、高校での私の成績では医学部への進学は夢のようなレベルでした。
私は会社員とか、学校の先生になりたいという意志は無く、それよりは警察とか、自衛隊とか、海上保安庁に入って勉強すれば出世できると思った時期がありました。ですが、その当時恥ずかしいことに私はかなづちで泳ぎが苦手でしたので、それらの公務員では絶対に必須である水泳ができないために、それらの職業の選択には無理がありました。あとは医師になるしかないかな、あるいはなりたいなという願望が芽生え始めました。
 松江北高校の時にアメリカの医療テレビドラマ「ベン・ケイシー」、今で言えばER(救急室)のような番組が放送されていました。その救急医ベン・ケイシーが救急の現場で患者を救うかっこよさに影響され、私は最終的には自分の成績を無視して医学部を挑戦しました。
そして運良く医学部に入ることができました。その後もベン・ケイシードラマの世界を忘れることが出来ず、医学部を卒業し、その4年後には留学試験を受けました。テレビドラマを初めて見た10年後にはアメリカへ渡りベン・ケイシーと同じような救急医療のトレーニングを受けたのです。
 このテレビドラマ「ベン・ケイシー」を見ていなかったら、私は医師になる夢を持たず、今ごろどこかの会社か公務員を定年退職していたでしょうか。
 たかがテレビドラマと言うなかれ。テレビドラマとの出会いも私にとっては人との出会い以上に、大切なきっかけを作ってくれました。私の中にあった医療に対する心を見出してくれたこのドラマに感謝します。


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