さわやか真誠会

平成11年5月号

〜院長から 患者さんへの手紙〜

大樹は古老か哲学者
(木について その2)

真誠会医院 院長 小田 貢

前回、大樹(古木)の話しをしましたが、今回は第二回目です。
 私の趣味は写真を写すことです。中でも桜や紅葉は私の写真に対する情熱をかきたてられます。桜や紅葉は、その季節になると日本全土をその色で染めて、いわゆる天国的世界を作り出すからです。そういった意味では、ボタンやチューリップ等の花びらを中心とした種類の花と比べると美しさに違いがあります。桜に関しては、特に日本の各地の桜(と言っても私が日帰り出来る範囲で西日本に限られますが・・)を写してきました。桜と一言で言っても、京都、博多、熊本、姫路の桜はそれぞれ異なった表情を持っております。その表情の違いは花そのものよりも木、幹、枝振りで表情がそれぞれ異なります。そしてその表情は古木、老木になればなるほど味わい深くなるのです。
 私の写す桜の写真は、桜の花を写してはおりますが、主役は花ではなく幹、枝などの木そのものなのです。桜の花がどんなに奇麗で見事でも、木そのものに味わいがなければシャッターを押しません。
 桜の古木と言えば、岡山県落合町の醍醐桜があります。今年の春初めて醍醐桜を見に行きました。醍醐桜は小山の天辺に一本立っておりますが、山道を登って突然目の前に巨大な桜の木が見えたときには感動を受けました。樹齢は700年と言われており、幹の太さは直径1メートル50ぐらいはあったでしょうか。残念ながら曇り空で理想的な写真は取れませんでしたが巨木の迫力は凄い物でした。紅葉もしかりです。紅葉の木はある面から言えば、桜以上に幹、枝が外から見えるので、枝振りがとても大切になります。紅葉の木も結局古木、老木歴史の刻まれた木でなければまったく話しにもなりません。桜と同じように赤く燃えるような美しい葉と木の味わいのコントラストを楽しんでいるのです。
 このように桜、紅葉は年が経つにつれてますます美しい花を咲かせ、力強い幹を見せつけているのです。
 私達人間もこの様な桜、紅葉のように年をとるにつれて、ますます美しい花を咲かせて、力強い生き方をし、人々に感動を与えたいものです。

 

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