さ わ や か 真 誠 会

平成13年8月号
NO.38

〜院長から 患者さんへの手紙〜

  私の人生最高の友「S君」

医療法人 真誠会
 真誠会医院
 院長 小田 貢

tennis.gif (2603 バイト)

 私が鳥取大学医学部へ入学した直後、無口の私に最初に声をかけてくれたのはS君でした。その時からS君とは医学部学生時代を通して人生最高の友人となりました。私は田舎出身であり、S君は湘南出身のシティー(都会)ボーイでした。
 S君とは1年間の寮生活だけではなく、医学部の約6年間ほとんど行動を共にしていたので、今の時代なら人から変な目で見られたかもしれません。
 私は、そのS君の勧めで軟式テニス部に入りました。一緒にチームを組んで毎日テニスをしました。テニスでは彼に一日の長があり彼は後衛で私は前衛でした。S君は私より男前で、性格も積極的な方でしたので私より人気がありもてていました。
 S君は明るくヒョウキンな人柄でした。逆に私は比較的口数は少なく頑固な方でしたので、私は彼を「ちょっと軽いヤツだなー」と思い、彼は私を「固いヤツだなー」と感じていたと思います。でも相対的には私の方が彼のソフトな面からたくさん影響を受けたと思います。
実はS君は旅館業、すなわち典型的サービス業の家庭に育ち、私がガチガチの公務員の家庭に育ちましたのでそれが面白いコントラストを作っていたようです。物事の受け止め方が私と全く異なることがありとても勉強になりました。
 卒業して数年たったある日、私が鳥取市立病院で勤務している時に彼からアメリカ留学の試験勉強中だと電話がありました。私も日本での医療の研修に限度を感じていたので対抗意識を燃やしてECFMGというアメリカへの留学試験を受けました。その後、私の方が彼より少し早く合格してマイアミ大学へ留学したのですが、偶然にも同時期に彼の研究が認めらてボストンへ留学していたので私達はまたアメリカで再会することが出来ました。彼のマンションの庭で家族と一緒にバーベキューをして楽しく過ごした想い出があります。その時一緒にいた彼の子供さんは、今ではすでに大人になり医者になっているそうです。
 現在、S君は伊豆で開業しています。私は米子で開業している身ですが、私の成長過程において、S君の存在は計り知れないほど大きなものがありました。
もしあの時S君がECFMGを受験するという電話が無かったら私はECFMGを受けてアメリカへ留学をすることは無かったでしょうし、私の人生は今とは全く別なものになっていたと思います。
 私は不器用であまり沢山の親友を作ることが出来なかったのですが、S君は私の人生の中では最高の親友です。私はアメリカへ留学してからは軟式テニスから硬式テニスに移りましたが、テニスラケットを持つたびに真っ黒に日焼けしてS君と毎日白球を追いながらテニスコートを走り回っていたことを思い出します。彼は私にたくさん素晴らしいことを教えてくれました。
 私にとってS君との出会いは、人生の中でも、たくさんの人との出会いがありますが一番大切だったと思い感謝しています。

バックナンバー

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平成21年5月号(vol.103)65歳のカメラ小僧
平成21年4月号(vol.102)桜命
平成21年3月号(vol.101)患者の皆様にご理解を
平成21年2月号(vol.100)拝啓十五の君に
平成21年1月号(vol.99)65歳を目前にして

平成20年12月増刊号(vol.98)心にシワはこない
平成20年12月号(vol.97)今こそ耐えて、足元をみて
平成20年10・11月号(vol.96)月光仮面と陸王
平成20年9月号(vol.95)日野原先生再び米子講演
平成20年7・8月号(vol.94)夏太りではなくメタボ解消の夏に
平成20年6月号(vol.93)何でも「品格」時代
平成20年5月号(vol.92)自然はすばらしい
平成20年4月号(vol.91)いびきは危険(睡眠時無呼吸外来)
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平成20年2月号(vol.89)「小江戸」倉敷を訪れて
平成20年1月号(vol.88)メタボ元年

平成19年12月号(vol.87)希望に胸を膨らませて
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平成15年5月号(vol.53)動物カメラマンの目線
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平成14年2.3月合併号(vol.43)西陣織匠
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平成13年12月号(vol.41)魂が踊る
平成13年10・11月号(vol.40)同窓会で見る自分史
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平成13年8月号(vol.38)私の人生最高の友「S君」
平成13年7月号(vol.37)夏の思い出
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平成13年3月号(vol.33)父の想い出
平成13年2月号(vol.32)私のボランティア活動
平成13年1月号(vol.31)しなやかに強く


平成12年12月号(vol.30)優しさレベルの分類
平成12年11月号(vol.29)カウントダウン20世紀
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平成12年6.7.8月合併号(vol.26)ベン・ケーシーに憧れて
平成12年5月号(vol.25)感動的な本との出会い
平成12年3月号(vol.23)写真撮影裏話
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平成11年12月号(vol.20)新しい町弓浜ホスピタウン
平成11年11月号(vol.19)写真と医療における芸術
平成11年10月号(vol.18)永遠のテーマを残す
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平成11年7月号(vol.15)私は聴診器を持った指揮者
平成11年6月号(vol.14)聴診器と私
平成11年5月号(vol.13)大樹は古老か哲学者(木についてその2))
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平成11年3月号(vol.11)私は鯉のおいしゃさん
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平成10年9.10月合併号(vol.6)ホスピタウン開設10周年を迎えて
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平成10年6月号(vol.3)我に七難八苦を与え給え

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