さ わ や か 真 誠 会

平成18年7-8月
Vol 76

〜院長から 患者さんへの手紙〜

二宮金次郎と日野原重明先生

 真誠会セントラルクリニック
 院長 小田 貢

今年の8月21日(月)、米子市和田町に小規模多機能センター「ふる里」を開所することになりました。その「ふる里」のシンボルに、“二宮金次郎”を選びました。ちょうどその「ふる里」ができる道を隔てた反対側には昔、和田小学校が建っていました。そこにも二宮金次郎の像があったと聞いています。薪を背負って歩きながら本を読んでいる像で、誰もが知っておられると思います。
 しかし、二宮金次郎の本当のすごさは、大人(といっても19歳ぐらいですが)になってからメキメキと力を発揮して農業、経済などあらゆる分野で、関東一円約600余箇所の村の農業、経済を改革し、たくさんの村人を飢饉から救ったのです。そして村だけではなく、藩の経済改革をしてその能力を買われ、最後には幕臣にもとりたてられたのです。
 この二宮金次郎の伝記を読んで、日野原先生のことが頭に浮かびました。
二人の共通点は、幼い時からのまじめさ、探究心、勉強熱心さ、そして幅広い分野で卓越した知識と実行力です。数々のプロジェクトを推進したこと、日野原先生の聖路加病院の建て替えは、二宮金次郎(尊徳)の藩での経済の建て直しに相当します。
 金次郎は長じて幕臣になりますが、日野原先生は、文部省の各種委員などの要職をうけられました。そして、全国の大学の指導的な役割を果たされました。また日本の臨床医療の場に数々の新しい概念の導入と実践をして現在、日本の臨床の発展に大きく寄与されました。
 金次郎は、莫大なお金を蓄えてそれを農村や藩の基金として使い(現在のNPOのようなものですね)、私服をこやすことはありませんでした。日野原先生もたくさんの講演、出版から入る収入を研究につぎ込んでおられます。

 私は二宮尊徳のことを知れば知るほど、日野原先生は現代の二宮金次郎(尊徳)の感じがします。そして二人に共通している言葉、それは『徳』なのです。

 

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平成12年11月号(vol.29)カウントダウン20世紀
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