平成23年の元旦の朝は豪雪で始まりました。早朝に病院から「停電です!」という緊急電話で新年が幕開けしたのです。病院では、取りあえず緊急事態に対応できているとの事でしたので私は自宅から指示を出しました。
しかしながら私の自宅もオール電化のため家はどんどん冷えていきました。おせち料理どころではありませんでした。
幸い私の車は四輪駆動でしたから何とか病院に出て緊急時の対応を行いました。
真誠会セントラルクリニックの入院患者さん、施設入所の皆さんには何とか対応できましたが、365日サービスを継続してきた通所はさすがに緊急事態のためお休みになりました。
約半日後、電気がついたときには思わ
ず私は心の中で“やった!!”と歓声を
上げたほどです。その後も雪は何度とな
く降り、弓ヶ浜半島の松林の松も雪の重
みや突風で無残に幹から折れてしまいま
した。今では、産業道路を車で走行して
いても、今まで見えなかった美保湾が松
の隙間から見えるようになりました。
真誠会セントラルクリニックの庭の楠
の木も無残に折れてしまいました。それ
どころか院長室の前に植えた、私の還暦
記念の桜の木の大きな枝も数本折れてし
まいました。
やっと本格的に雪がとけたのは2月に入 (インターネットより抜粋)
ったころでした。しかしながら、雪どけ
の桜の木には確実に桜の蕾が大きくなっていました。自宅の庭の梅の木にも蕾が出てきました。その土には新緑の草も雪の下で生えていました。あれだけの雪に痛めつけられても植物は確実に芽を吹き出しているのです。 そして春になれば桜もまた爛漫の花で私たちの傷ついた心を癒し、生きている喜びを感じさせてくれるでしょう。5月には新緑が私たちの心を新鮮なものにしてくれるでしょう。そして10年、20年後には弓ヶ浜半島の松林もまた生き返り以前のような美しい姿を見せてくれると思います。
自然はすばらしい、そして美しい。しかし私たちは自然の前に無力であり、植物ほどの生命力さえ持っていない儚い人間であることを思い知らされた今年の冬でした。
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