さ わ や か 真 誠 会

平成12年9月号
NO.27

〜院長から 患者さんへの手紙〜

    
しまなみ海道走破記

医 療 法 人 真 誠 会
真誠会医院 院長  小田 貢



 毎年お盆の連休は、私とってめったに無い休みの一つなので、1〜2泊の写真旅行をすることが多かったのですが、今年は20世紀最後の夏なので、その区切りとして何かインパクトのある事をしたいと思い立ちました。そこで思い浮かんだのは、しまなみ海道を自転車で走破する事でした。私は3年ほど前より自転車を趣味にしており、日曜日には米川沿いの自転車道路を往復したり、米子から大根島を往復するトレーニングをしておりました。そして、いつか100キロ近い距離を走ってみたいと思うようになりました。しまなみ海道横断を決意したのは、実際にはお盆の2週間前でしたので、それに備えたトレーニングとして大根島を2回往復したり、また185段ほどある粟島神社の階段を走って上がったりしました。
最初、しまなみ海道は自転車も全行程高速道路に沿って走る簡単なコースと思っておりましたが、道路公団に問い合わせたところ、高速道路沿いを走るのは、それぞれの島間の大橋部分だけであり、島の自転車道は海岸沿を走ると聞き急に不安になりました。距離にして尾道から今治まで約82キロあるとのことでした。それは私が普段走っている大根島往復(約35キロ)の約2.35倍です。更に、それぞれの大橋は海抜50〜60メートルあるとのことでしたので、身が引き締まる思いと不安が募りました。
 装備としては自転車のハンドルを長距離用に変更し、スーツも本格的なロードレーサー用のスーツを購入しました。長距離用のパンツにはクッションの尻当てがついているので、運転には最適でした。そして、お盆前の12日、診療を終え、従業員の励ましのエールを受けて尾道に向かいました。
 13日の早朝、自転車で今治に向かってスタートしました。走る前は完走だけを考えており、コースの途中で一時間ほど休憩して約6時間で完走するつもりでいました。しかし、いったん走り出すと、次第にそのまま行けそうな気がし、休憩もしないで走り続けました。水分の補給以外は自転車を止めることもなく、走りながら食べたソフトクリームが唯一の食事?でした。
自転車道路も想像していたより道が悪く、いわゆる納得のいく自転車専用道路ではありませんでした。今治までは7つの島と7つの大橋がありました。その大橋の数だけ急速な坂を登らなくてはなりません。やっとの思いでその坂を登りきると、大橋からのすばらしい景色が目の前に広がりました。最後の来島大橋は一番坂が険しかったのですが、その坂を登りきったときにはさすがにゴール目前にした感動が込み上げてきました。また、初めて自転車をゆっくり走らせ景色を楽しむゆとりも出てきました。尾道を出発して4時間45分で今治に到着することができました。
翌日は米子に帰りましたが、筋肉痛も疲れも全く無かったので、本当に昨日しまなみ海道を走破したのだろうかと自分を疑いました。そして、もう一度感動を再現するために走破した地図をカバンから取り出して見てみました。
いずれにしても20世紀最後の夏、56歳の私にとってちょっとした一夏の冒険が終わりました。
次の冒険はいつになるのかまだ分かりませんが、残されたテーマとしては、同じしまなみ海道のコースを4時間以内のタイムで完走することと、しまなみ海道の写真を写しながら8〜10時間かけてゆっくりしたペースで自転車の旅をすることです。

 

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