今年も桜が3月末より咲き始めて4月4日満開になりました。院長室の前に還暦を記念して植えた桜の木も6年目を迎えました。
私は熱狂的な桜好きですが、桜の花を毎日見たい、目の前で見たいという思いがありながら、実際には毎日診療などで忙しく花見はもちろんのこと、毎日見ることなど不可能なので、還暦に院長室の前に桜の木を植えました
普段は贅沢とはあまり縁の無い生活をしておりますが、桜が咲くこの時期に毎日窓の外を見ると、ちょうど目線の高さに満開の桜の花を見ることができます。限られた二週間のこの時期は、この世のものとも思えない贅沢な気持ち、胸がときめくほどの感動があります。私はこの喜びを誰もに持っていただきたいと思って、私が造った施設には必ずその周囲に桜を植えてきました。
弓浜ホスピタウン、富益在宅福祉センター真誠会、青松庵の周囲の桜はとても大きくなり、あと5年ほどすればそれぞれの地域での桜の名所となり利用者の皆さん、地域の皆さんに見ていただけ、感動をともにすることが出来ると思います。
花が咲いたときにはこれほど華やかで、人の心をときめかせる一方で、その約二週間後にはハラハラと散ってしまい、人生のむなしさを私たちに抱かせる花は少ないと思います。桜は新しいものの始まり、成長、発展、栄華と同時にそのむなしさをも私たちに思わせる珍しい、あるは非常に貴重な花です。
特に春の朧月夜に桜が散るのをみると涙があふれてきます。
そして桜は一年に一回私に「人は死ぬもの」であることを教えてくれます。
これからも毎年桜の花は、何か新しいことが始まるときめきと、人は死ぬものである、言い換えれば、始まる事と終わる事、生きる事と死ぬ事を私に教え続けてくれます。
私はこのこの時期(3月28日)に産んでくれた両親に感謝しています。
私から毎年「さわやか真誠会4月号」に載せる西行法師の句をお届けします。
「願はくは 花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ」
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