さ わ や か 真 誠 会

平成15年6月
第54号

〜院長から 患者さんへの手紙〜

緩和ケア病棟設立目指す

医療法人 真誠会
真誠会医院
院長 小田 貢


 新展望21 (日本海新聞 平成15年6月2日掲載)
■ホスピタウンがスタートしてから、十五年がたちました。完成度はいかがですか。
「規模的には、当初の思いからすれば百パーセントを超えました。ただ、規模の拡大に伴い、本丸ともいえる真誠会医院の機能が不十分でないか、と考えています。ホスピタウン構想の仕上げとして医院を整備するつもりです」


■どんな整備をお考えですか。
「末期がんだけでなく患者さんのさまざまな痛みをコントロールする緩和ケア病棟の設立です。ホスピタウン構想も、緩和病棟がなければ画竜点晴を欠く。申請中ですが、許可されれば特徴があってきらりと光るような病棟を目指します」

■どんなスタイルですか。
「ケアそのものの充実はもちろん、ITを駆使して開かれた病棟にするつもりです。今までの緩和ケアは病棟に閉じこもる印象が強かった。ITを使えば、闘病中でも友人と話したり、電子メールのやり取りでコミュニケーションを保てます。治療をしながらでも、進化したツールを使えば、SOHOのように、一部ですが、仕事もこなせるかもしれません」

■画像のやり取りも可能になる。
「言いたいことを言い、聞きたい人の話しが聞ける、会いたい人に画像を通して会う。コミュニケーションにおいては通常の生活に近い状態が病棟の中でも保てるようにしたい。孤独感の解消につながり、患者さんの精神的苦痛、恐怖、痛みの緩和に寄与できるはず」

■なぜ、緩和病棟なのですか。
「地域総合医療を目指したホスピタウン構想ですが、すそ野が広がってきました。福祉も加え、世代的にも診療範囲も医療を中心とする予防・福祉も、継ぎ目のないサービスの提供を目指す体制が整いつつあります。ですが、ホスピタウンの社会的責任を考えると、医療水準などのレベルをもっと上げたい。さらにきちんとしたホスピタウンにするには、地域ニーズの高い緩和病棟は不可欠なのです」

■院内では花やエンジェルをあしらったインテリアが印象的です。
「患者さんが院内を訪れることそのものも治療であるという考え方で、癒しの空間を築きました。花の手入れも職員がしていますが、そんな手入れは患者さんを迎える心の具現化です。病院の姿勢そのものでもあるのです」

■十五年前と医療を取り巻く環境が変わりました。
医師中心の治療から患者さん中心へと大きく変わりましたが、もともと患者さん中心の医療を目指して真誠会をつくりましたから、根本的な部分は変わりません。ITの駆使などはあくまでツールであり、結局、人間なのだと痛感しています。人を育て、良い医療を提供、その結果として経営も順調に行き、再び人間教育に注力する。人間性に始まり、人間性に終わるのが医療でありホスピタウンですから、その意味は無限ですね」

■「天は自ら助くる者を助く」を座右の銘とする理由は。
「自分の幸せは自分自身の努力によって達成されること、自分自身で人生を切り開いていくことの大切さ、そして自分の運命の多くは自分の責任であることを教えていると思います。非常に厳しい教えですが、苦しい時に私自身に言い聞かせる言葉です」



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