さ わ や か 真 誠 会

平成15年5月
第53号

〜院長から 患者さんへの手紙〜

動物カメラマンの目線

医療法人 真誠会
真誠会医院
院長 小田 貢


 最近、ハイビジョン放送を見る機会が多くなりました。ハイビジョン放送では一般地上波放送では少ない、自然や動物に関する番組が多いので私は仕事(診察ではなく、夜間パソコンでデスクワークをしている時)をしながら見ています。もちろん写された動物の生態にも興味はありますが、私もカメラを持つものとして、カメラマンの仕事振りに興味を持って見ております。
 北極の白熊を危険な至近距離から撮影する岩合光昭、一万メートルの高度で飛行機の窓を開けて必死でヒマラヤ山脈の神々しさを表現した(世界百名山)白川義員、また先日は、田中光常さん(動物写真家)の東南アジアでの鳥たちの生態をビデオで見ました。
 共通して言えることは、写真(ビデオを含む)を撮影するためには、対象になる動物や鳥に対して、それぞれ専門家並あるいはそれ以上の知識をもち、また生きている動物に対して大きな愛をもってアプローチしていることです。そして、その夢の写真を写すためには命の危険も顧みず、時には何日も、何週間もじっとベストな撮影状態が来るのを待っているのです。もちろん、その撮影に実際に取り掛かる前には数ヶ月から数年勉強をし、専門のチームを組んで準備をしているのです。私たちが雑誌や、テレビで見ている写真、画像はその努力のほんの一部、一瞬であることには感嘆します。
 また田中光常さんが鳥の生態を写すときには、単にカメラを構えて目の前に起きた偶然を写すのではなく、あらかじめその鳥が獲物を捕るときのイメージを紙にデッサンして、それと同じ状態が実際に起きることを予想した場所で、予想した構図の写真を写すのにはびっくりしました。また、鳥が昆虫を狙うときは、鳥の動きを観察するだけではなく、鳥が狙いそうな昆虫を鳥より先に見つけて、それを実際に捕りにくる鳥の瞬時を写すのです。すなわち、これらのカメラマンは自分がカメラマンとしてではなく、鳥の視線、鳥の判断など、鳥そのものになりきってシャッターを押しているのです。
 私たちはよく、「何々の目線」という言い方をしますが、本当にその人たちの目線になっているのでしょうか。「相手と同じ目線」とは、相手と同じ高さの目線を言うのではなく、「相手の立場にたって、その方と同じ心理状態になる」ことであると思います。これらの事を含め、画像を通じて動物カメラマンの目線を学び得たいと思います。


バックナンバー

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平成23年6-7月号(Vol.119) 検診対象者全員が胃がん検診を
平成23年5月号(Vol.118)がんばろう東北!
平成23年4月号(Vol.117)生きていることへの感謝
平成23年1-3合併号(Vol.116)自然の力に見せ付けされて
平成22年11-12合併号(Vol.115)あの日のときめきをもう一度
平成22年9-10合併号(Vol.114)胃カメラ小僧、カメラ小僧、そして自転車小僧
平成22年7-8合併号(vol.113)お盆と花火
平成22年5-6合併号(vol.112)愛情で咲かせる桜とバラ、そして人
平成22年3-4合併号(vol.111)桜にときめき、桜に戻す
平成22年2月号(vol.110)人生のバラを咲かせましょう

平成21年12月-平成22年1月合併号(vol.109)新たな決意で
平成21年11月号(vol.108)秋の楽しみ
平成21年9-10月号(vol.107) カメラ小僧から胃カメラ小僧に −65歳の挑戦−
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平成21年7月号(vol.105)65歳の馬鹿力!!そして総合医を目指して
平成21年6月号(vol.104)イングリッシュガーデン”ターシャ”開園
平成21年5月号(vol.103)65歳のカメラ小僧
平成21年4月号(vol.102)桜命
平成21年3月号(vol.101)患者の皆様にご理解を
平成21年2月号(vol.100)拝啓十五の君に
平成21年1月号(vol.99)65歳を目前にして

平成20年12月増刊号(vol.98)心にシワはこない
平成20年12月号(vol.97)今こそ耐えて、足元をみて
平成20年10・11月号(vol.96)月光仮面と陸王
平成20年9月号(vol.95)日野原先生再び米子講演
平成20年7・8月号(vol.94)夏太りではなくメタボ解消の夏に
平成20年6月号(vol.93)何でも「品格」時代
平成20年5月号(vol.92)自然はすばらしい
平成20年4月号(vol.91)いびきは危険(睡眠時無呼吸外来)
平成20年3月号(vol.90)メディカルフィットネスのすすめ
平成20年2月号(vol.89)「小江戸」倉敷を訪れて
平成20年1月号(vol.88)メタボ元年

平成19年12月号(vol.87)希望に胸を膨らませて
平成19年11月号(vol.86)看病すること、看取ること
平成19年9・10月号(vol.84)新たなる挑戦
平成19年6・7月号(vol.83)老化はいつ感じるのか 日野原先生の後を追って
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平成17年8月号(vol.69)野茂英雄、三浦知良選手に、『男の美学』を見る
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平成17年3月特別号 聖路加国際病院研修中間レポート
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平成16年12月号(vol.64)今年を振り返って
平成16年9-11号(vol.63)私のダイエット
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平成15年11・12月号(vol.58)健康痩身しませんか
平成15年10月号(vol.57)元気で現役80才私の生き方努力
平成15年8・9月号(vol.56)秋の訪れ
平成15年7月号(vol.55)平均寿命と健康年齢
平成15年6月号(vol.54)緩和ケア病棟設立を目指す
平成15年5月号(vol.53)動物カメラマンの目線
平成15年4月号(vol.52)そうだ、京都へ行こう
平成15年2・3月号(vol.99)携帯電話へ検査結果お知らせサービス
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平成14年11・12月合併号(vol.49)日野原先生の力強く優しい手
平成14年9・10月合併号(vol.48)花の命は、、、
平成14年7・8月合併号(vol.47)猿が退化した姿が人間?
平成14年6月号(vol.46)花とエンジェルのテーマパークその3
平成14年5月号(vol.45)花とエンジェルのテーマパークその2
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平成14年2.3月合併号(vol.43)西陣織匠
平成14年1月号(vol.42)イチロー選手に学ぶ

平成13年12月号(vol.41)魂が踊る
平成13年10・11月号(vol.40)同窓会で見る自分史
平成13年9月号(vol.39)神の子モーツアルト
平成13年8月号(vol.38)私の人生最高の友「S君」
平成13年7月号(vol.37)夏の思い出
平成13年6月号(vol.36)21世紀の真誠会ロビー改革
平成13年5月号(vol.35)桜談義A
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平成13年3月号(vol.33)父の想い出
平成13年2月号(vol.32)私のボランティア活動
平成13年1月号(vol.31)しなやかに強く


平成12年12月号(vol.30)優しさレベルの分類
平成12年11月号(vol.29)カウントダウン20世紀
平成12年10月号(vol.28)堀江先生の爽やか電話
平成12年9月号(vol.27)しまなみ海道走破記
平成12年6.7.8月合併号(vol.26)ベン・ケーシーに憧れて
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平成11年12月号(vol.20)新しい町弓浜ホスピタウン
平成11年11月号(vol.19)写真と医療における芸術
平成11年10月号(vol.18)永遠のテーマを残す
平成11年9月号(vol.17)米川探訪
平成11年8月号(vol.16)素晴らしきかな劣等感
平成11年7月号(vol.15)私は聴診器を持った指揮者
平成11年6月号(vol.14)聴診器と私
平成11年5月号(vol.13)大樹は古老か哲学者(木についてその2))
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平成11年3月号(vol.11)私は鯉のおいしゃさん
平成11年2月号(vol.10)寒稽古の想い出
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