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ホスピタウン便り

VOL56 (平成21年10月)

全人的医療を目指して


ホスピタウン便りvol56

 「全人的医療」は一般市民の皆さんにはまだ親しみのない言葉だと思います。 「全人的医療」とは、患者さんの訴えになっている疾患のみに関してアプローチするのではなく、患者さんの心理状態、社会的背景、ライフスタイルなどにも配慮して総合的にアプローチする医療のことです。この中には患者さんのおかれている環境の分析、それに対する助言、精神的支援などもありますし、中でも重要なのは患者さんと医師の信頼関係の確立です。そのために全人的医療を提供するためには、医師は患者さんから信頼されるに足る人間性の確立が必要です。また医師は単に手術、薬の処方だけではなく心理的な支援、音楽療法、ライフスタイルに対する助言も必要です。  このように、全人的医療を行なう現場で医師は単に自分の医学的知識で薬を処方するのではなく、患者さんとよく話し合って治療の選択をすることも必要です。治療はいわゆる、患者さんと医師の、そして看護師、臨床心理士などのチームとの二人三脚ではなく、百足歩きになります。それが私の目指している全人的医療です。  また、この全人的医療は医療法人真誠会名誉理事長 日野原重明先生(聖路加国際病院理事長)が日本でもリーダーシップを務めていらっしゃる領域なのです。  私は患者さんの医療に関して内科も整形外科も、循環器、呼吸器、脳神経内科についても基本的な診察を行なっておりますので、患者さんが内科の病気で来院されても他の領域に関しても注意を払い、内科、坐骨神経痛の痛みの治療、心不全の治療、脳梗塞の診断、初期治療も行います。必要に応じて専門医に紹介しておりますから、患者さんが自己判断でいろいろな病気でいろいろな病院を受診する必要は少なくなります。  私は患者さんの頭の先から足の先までの状態を把握し、必要に応じて精神的な支援を行っています。また入院後や癌のターミナルケアでは真誠会のチームで全人的医療を行います。患者さんの体の痛み、心の痛みを最小限度にし、生きていてよかったと思っていただけるケアを提供したいと思っています。  そして、これからも日野原イズムを伝える医療を実践したいと思っています。

                    ホスピタウン代表 医療法人真誠会 理事長  小田 貢

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