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ホスピタウン便り |
VOL73 (平成27年4月) |
大化の改新、明治維新 そして 医療福祉改革 |
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ホスピタウン便りvol73
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日本の大きな革命には「大化の改新」や「明治維新」がありますが、私にはそれにもならず革命というのが今回の「医療福祉改革」だと思います。
医療部門の改革では、地域医療計画があり各地域では大学病院などの基幹病院を中心として病院の機能分化が行われますが、その結果今までの並列乱立型から機能分化にもとづくピラミッド型、ヒエラルキーを形成するようになるようです。
今では急性期のベッドを持っていることが病院の象徴でもありますが、厳密な意味で急性期ベッドを回転させれば、現在の日本全国の救急ベッドはたぶん半分ぐらいしか必要なくなるのではないでしょうか。
たとえ中位、下位にある病院が救急ベッドを維持しようと思っても上位の病院が救急医療を必要とする患者をブラックホールのように吸い込んでしまうので中位、下位にある病院には救急患者は回ってこなくなり、結果として急性期病棟を維持できなくなるのではないでしょうか。
福祉分野では、社会福祉法人が法外な内部留保をしていることが批判され、社会福祉法人は儲けすぎているという見地から、本年4月からの介護保険の報酬を大幅に削減されました。
このような状態で社会福祉法人が生き延びるためには、レベルの高い介護体制、介護サービス、高い在宅復帰率、そして良い結果を出すことに対してインセンティブとして「加算」という少しばかりの報酬の追加があり、このハードルをクリアしなければならないのです。
そしてこれらの「加算」がもらえるレベルの高い介護を提供できなければ社会福祉法人といえども経営が危うくなるのです。
それと同時に内部保留が膨大な社会福祉法人にはその資金を社会の福祉に投資したり、高齢者の支援のために役立てるよう指導を受けることになるようです。
また介護予防事業、通所事業はそれだけでは経済的に立ち行かないほどの報酬の減額になります。要するにこれから介護保険は、要支援には適応されず、要介護からのみ適応されるようになるということだと思います。
そのためこれから一年以内に多くの小規模法人、介護予防事業所、小規模通所事業所は経営の危機に直面し、ここでも弱小事業所、質の低い事業所は淘汰されて行くと思います。
以上の政策の結果、平成30 年ごろには医療、福祉の世界は今とは比較にならないほどの変化をきたしていると思います。
これを医療福祉の大化の改新、明治維新と言わずしてどのように表現できるでしょうか。 |
ホスピタウン代表 医療法人真誠会 理事長 小田 貢
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