1.設立までの経緯



平成17年9月、聖路加国際病院理事長・新老人の会会長の日野原重明氏が、新老人の会鳥取支部設立記念講演に来米され、これをきっかけに、社会を支えるボランティアの数は実際には少なく、ネットワークもあまり出来ていないのが現状の認識の下、当団体の現理事長小田貢が、これからの少子高齢社会の生活上のセーフティーネットとして、ボランティアを中心としたネットワークづくりを、より具体化する活動を開始した。



同時に、現存のボランティアのネットワークは同好・同種間のネットワークであり、多種多様なボランティアとの連携、ネットワークづくり、地域との連携、等はなされていないのが現状で、ボランティアが社会生活のセーフティーネットとして機能していくには不十分な状況であることから、ネットワークの充実、ボランティアの創出、教育と一般市民へのボランティアマインドの高揚のため、本格的な包括的なネットワークの構築が必要と判断し、そのためにはメディアのバックアップが不可欠であることから、地元ケーブルテレビや地元新聞に支援を求め、強力な支援の了解を得ることができた。これにより、当団体の活動が伝えられ、地域住民の間でこの活動の理解が浸透し始めてきた。



平成17年10月より、新老人の会鳥取支部のメンバーを中心に、賛同者を募り、当団体発足とNPO法人化の活動を具体化させた。



平成17年11月には、当団体の設立準備会を開催して、設立についての20余名の発起人の意見交換と意思統一を図った。



平成17年12月には、60余名のメンバーで当団体を設立すると共に、メンバーの増強を行い、団体、個人を含めて90名を超える体制となった。



平成18年1月には、再度総会を開催し、NPO法人設立に向けて、定款・役員・その他申請に必要な事項につき協議を行い、下旬にはNPO法人の申請を行うこととした。

 

npo_start



2.設立趣意書



− 健全で住みやすい米子を作るために−


がいなネット 発起人代表 小田貢



21世紀は国家の財源危機のもとで、それぞれの自治体はそれぞれの力で生きて行かなければなりません。
そのために地方自治体もこれからは市民、住民の協力なくしては健全で住みやすい社会を作ることは出来ないのです。
すなわち、少ない予算と少子高齢化による生産力低下といった二重三重の試練にさらされるのです。


一方で社会は高齢者のみではなく、認知症、障害者の人に対しても優しく開かれた住みやすい街を作ることも重要と思われます。
しかしながら、このような福祉、街づくりに対する予算はこれから削減されることはあっても増えることはありません。
当然行政、あるいはその周辺(公民館、自治会、その他関連団体)のマンパワーも削減されるのです。


このような状況を放置しておけば今まで存在した従来型の組織、ネットワークさえ活気をなくしやせ衰え、最後にはそのネットワーク自体が形骸化してしまう可能性もあります。
私たち住民はいつまでもそれを落胆していても光は見えないのです。
私たちは私たちの手で助け合って生きるという今までにない概念と行動のもとで作られる新しいモデルの社会をつくる必要があると思います。


また、高齢化、少子化の問題が大きく具体的な社会問題となるのは5年、10年先、そしてそのピークは20年先です。
その大きな問題を克服するためには、子どものときからの情操教育、社会活動、ボランティア精神を育てる教育が必要だと思います。


米子助け愛 がいなネット(仮称:NPOによる運営を目指す)は、その少子高齢化によって現在おきつつある問題、将来の大きな問題に真っ向から挑戦するため、地域住民が一丸となって立ち向かう人たちが集い、意見を交換し、助け合う場として提案したいと思います。
人々が生活の場で助け合いながら生きるための組織は、自治会などを中心とする従来からの古典的な組織から各種善意の団体、個人などが存在します。


「米子助け愛 がいなネット」はこれら従来型の地域の組織、ネットワークとボランティア団体、個人などを結び付ける役割を持ち、なおかつ、今まで埋もれて個々に活動していた団体、個人も発掘し、それらもこのネットワークに加わって行けるものにしたいと思います。言い換えれば、ネットワークの総合商社のようなものです。


子どもの教育を考えれば小学校、中学校、高校と連続的にこのような社会との結びつきを考えネットワークの重要性の教育と、子どもの頃から助け合いやボランティア精神の心を教えて体験し、社会参加させることもこのネットワークの目的の一つです。
がいなネットはネットワークの構築だけではなく、ネットワークを広げ、また啓発活動であらたな社会支援活動を提言、実現に向けての行動をするものであります。


また、米子がこのようなネットワークにより結ばれた優しい相互支援、相互援助の社会を作れば21世紀の少子高齢化の中でも地方の社会が精神的に豊かに安心して生きて行ける全国的なモデルになればよいと思います。
それを支える基本は、善意、ボランティア精神、相互扶助精神であり、それを実行に移す実行力、継続力だと思います。


しかしながら重要なことは、たとえネットワークが出来てもネットワークが本当に常に息づいて機能するためには管理者(グループ)がいて常に情報の受入、発信を管理して手入れし、なおかつネットの加入者だれもがネットを育てるという強い意識がないといつの間にか呼吸を停止し、ネットの機能を停止してしまいます。

ましてや沢山のネットのハブ的役割をするハブネットは特にその求心力を維持する必要があります。またハブネットの管理者(グループ)はそれぞれのネットが機能しているかどうかを定期的に見て刺激する必要があります。
今後この「がいなネット」を産み、育てて、米子がいな祭りに匹敵する米子で自慢できるもの、米子が誇れる文化にしたいと思います。
それを支える基本は、善意、ボランティア精神、相互扶助精神であり、それを実行に移す実行力、継続力だと思います。